Launch Appをリリースしました(事後報告)

事後報告になってしまいましたが、Launch Appを9月20日(木)に無事にリリース出来ました(もう1週間以上経過している…)。

リリーズ後にイケダハヤトさんのブログVenture Now様に取材もして頂けました。

おかげさまで、ユーザーさんも一気に増え、お問い合わせも沢山あり、幸先の良いスタートを切れました。


MBA在籍中からクラウドソーシング事業をやりたいと想い描いていたので、ようやくスタートを切れたことに嬉しく思います。
社名のZaoriaもギリシャ哲学の概念であるTHEORIA(テオリア)をもじり、「群衆の叡智」に関するものとしているので、Launch AppがAndroidアプリディベロッパーの開発問題に「群衆の叡智」で解決できるよう、全力を尽くしていきます!

「何のためにビジネスをするのか」を再認識したスタートアップの文化祭

9月22日(土)にサムライベンチャーサミットというスタートアップのイベントに参加してきた。5月に起業をしてから、ステルスモードだったのでザオリア㈱として公に出たの初めてであり、ある意味デビュー戦となった。

主催者によると700名超の参加者がいたようで、熱気がムンムンしてた。出展ブース又はピッチに参加するためにイベントへ参加いしてたスタートアップは50社以上あり、我々とほぼ一緒の時期に起業をしたと思われる、つまりスタートアップ同期が集まるイベントだ。知人の起業家も何名か参加していて、この中からスターダムにのし上がって行くスタートアップが出ると想像すると、身が引き締まる思いだった。

ウチはブース出展+ピッチ(2分間のプレゼン)に参加させてもらったんだけど、このイベントを通して“Launch App”のお客さん候補とユーザー候補の双方と直にお話しが出来たのは貴重な体験であったと共にビジネスの初心に帰れた気がした。


起業をして、ビジネスをやる以上お金儲けは大切なファクターなのはもちろんなんだけど、「誰かの問題を解決して、喜んでもらう」ということを再認識した。これを実現するために仕事を頑張れるし、楽しいと感じるんだよね。そして、社会に貢献するからこそ初めてお給料がもらえる、というスタンスの大切さ。ビジネスを2年半していなかったから、しばらく忘れてたわ。
ウチに興味を持ってくれたお客さん候補はやはり何かしらの問題を抱えていて、解決策を探していたし、幸いなことに質問もたくさん頂けた。

10時間近く出展ブースでたくさんの方と対面をしていて事業仮説が正しいのかも、と感じた(まだ分かんないけど…)。


イベントが終わった後にIncubateFundの佐々木さんと話しをしていて、「こういうイベントを通して、皆で頑張ろう!というスタートアップコミュニティっていいっすよね」と言ったら、「井上さん、1年後もここに居るようじゃダメッスよ。早くこのコミュニティから抜けだして下さい」と返され疲労困憊だったけど、眠気が一気に冷めた。
確かに、そうだと思えた。スタートアップコミュニティに居るというのはあくまでも経営をする上での通過点でしかなく、自分たちの目標はそこには無いんだと、意識が朦朧とする中我に返った。

立ち上げ当初に掲げた目標がいつの間にかボヤけてきて、生き残ることを目的化するといつまで経ってもスタートアップコミュニティから抜け出せないし、気づいたらスタートアップではなく零細企業になってしまう、と。来年の今頃はまた元気のいい起業家が出てきて、顔ぶれも全く違う人達が活躍していると想像すると、それ以上に成長して行かなければ市場から淘汰されていく。

ビジネスの始め方で学んだこと

ザオリアは2012年5月に3人で共同創業したスタートアップです。
メンバーは私とマークアップエンジニアシステムエンジニアで、
私とマークアップエンジニアは前々職で同期、マークアップエンジニアシステムエンジニア
仕事をする間柄という関係です。


私がLaunch App(現在準備中)の構想を描いたのが2011年年末から1月に掛けてのことでした。
その後・・・

1. 企画書を作ってVCへのプレゼン
2. マークアップエンジニアにその話をする
3. システムエンジニアを連れてきて、3人で顔合わせ
4. プロトタイプ作成
5. 複数回のユーザーインタビュー
6. 好感触が得られたので起業を決意


1 ~ 6 までは2月の約一ヶ月間、特に4 ~ 6 は10日前後と、スピード感を持って進め、
好感触も掴めたから、「ヨシ、3人で起業しよう!」ということになりました。


■ビジネスは問題定義からスタートすべき
今になって、この進め方は間違いだったなと思うようになりました。
その理由はWhy(何を目指すのか、何故やるのか)からではなく、
What(アイディアありき)で進めてしまったことです。
もっと言うと誘い方がWhatを全面的に出してしまったことです。

テスト段階に入りここ最近、組織というものを意識するようになってきました。
プロダクトもα版2.0まで進んできており、リリースまで1ヶ月を切り開発も終盤を迎え、オペレーションまわりの準備に取り掛かっているからです。


少し話が逸れますが、私はスタートアップというのは、大海原を渡る小舟のようなものと考えています。
船の乗組員は進路を決める船長、船をメンテナンスする大工、航路を読む航海士など、必要最低限の役割があり、まだ船が小さい時はそれぞれの能力が被らず、役割分担を出来ることが船を進める上で身軽かつ効率的です。幸いザオリアは綺麗に役割が分かれているので、それぞれがイニシャティブを取り、意思決定のスピードが早いと感じています。


さて、「事業の始め方」が何故間違いだったかに話しを戻すと、たまたま小舟を漕ぐのに最適な乗組員が揃い、
取り敢えず大海原へ出てしまったが故に、何のためにビジネスをするのか、組織として一枚岩とならず
モチベーションに影響が出るのではないかと感じてきました。
(ここでいう小舟はビジネスモデルやアイディアだと思って下さい)
最近はタスクが増えてきて、2月のような躍動感に溢れた動きが中々出来なくなっており、
停滞感も少し出てきた事も重なって、ミーティングをしていて、
メンバーからの不満が顔に出るようになってきました。
私も起業してからテンションの上げ下げを何度か経験したのですが、
その要因は前進したか、による影響が大きかったです。


オペレーションが始まると役割を越えた動き(スカンクワーク)が必要になってきます。
スタートアップは人的リソースが限られているので、忙殺されることが予想され、
そうなると懸念されるのが「何故頑張っているのか」と自問自答し始め、
モチベーション維持にコストが発生してしまうことです。
さらにもっと重要なのが、組織として一枚岩になれるかどうかです。元々3人は出会ってから日も浅く、
昔から一緒に仕事をやっていたわけではないので、バックグラウンドも違います。
ミーティングでもプロダクトをメインにした議題になっているので、事業の目的を
とことん議論しないままここまで来てしまいました。
そもそもWhyから始めていないので、事業の目的が不明確なため自分たちの存在意義に疑問を持ち始め、個人のパフォーマンスに影響が出て、相乗効果を阻む要因になりえるのかと懸念しています。


Whyから始める事業の場合、「どんな問題を解決」し「解決されることでどう世界が変わるのか」が明確なため、
何故頑張れるのか、を自問自答せずに、どんな時でも前進するエネルギーになるはずです。
2月はスピード感を持って仕事をしていて、相乗効果も生まれ躍動感に満ちた時間を過ごせていたので、
ある意味エネルギッシュで「これがスタートアップか!?」と初めての体験に興奮をしていました。
ただ、短期的にはテンションは上がりますが、長期的な観点で見ると躍動感だけではモチベーションが長続きしないな、
ということにようやく気づきました。むしろ、錯覚に陥っていました。

(長期的な)目標でチームをまとめ、それを原動力にすることが会社として発展する素地にもなるし、
存在意義なのかと。大海原へ出たは良いが、どの島を目指すのかがそれぞれぼんやりとしか見えていないことが、今後のリスクになると今感じています。


■チームビルディング
8月の中旬になって、今更ながら、ビジネスの根幹に気づいたのでミーティングの2/3はミッション定義に時間を費やしています。そのためにはそれぞれバックグラウンドが違うので、ビジネスマンとしての大切にしたいスタンス、
人生における価値観、どんな夢があるのか、相互理解を行うようになりました。
そこから共通の目標や目的を作り上げていき、ザオリアの事業に落としこんでいくプロセスを踏んでいます。

ビジネスが軌道に乗ったらメンバーを増やしていく予定なので、Whyがブレていると会社が混乱してしまいます。そうなる前にとことん議論をして、自分たちのミッションを作り上げていこうと思います。


ご参考までに現在起業準備中の金城さんという方のブログがチームビルディングの
参考になっているので、僭越ながらご紹介させて頂きます。
最近気づいた「何をやるかではなく誰とやるか」という言葉の本質 http://shinkinjo.com/?p=182