ビジネスの始め方で学んだこと

ザオリアは2012年5月に3人で共同創業したスタートアップです。
メンバーは私とマークアップエンジニアシステムエンジニアで、
私とマークアップエンジニアは前々職で同期、マークアップエンジニアシステムエンジニア
仕事をする間柄という関係です。


私がLaunch App(現在準備中)の構想を描いたのが2011年年末から1月に掛けてのことでした。
その後・・・

1. 企画書を作ってVCへのプレゼン
2. マークアップエンジニアにその話をする
3. システムエンジニアを連れてきて、3人で顔合わせ
4. プロトタイプ作成
5. 複数回のユーザーインタビュー
6. 好感触が得られたので起業を決意


1 ~ 6 までは2月の約一ヶ月間、特に4 ~ 6 は10日前後と、スピード感を持って進め、
好感触も掴めたから、「ヨシ、3人で起業しよう!」ということになりました。


■ビジネスは問題定義からスタートすべき
今になって、この進め方は間違いだったなと思うようになりました。
その理由はWhy(何を目指すのか、何故やるのか)からではなく、
What(アイディアありき)で進めてしまったことです。
もっと言うと誘い方がWhatを全面的に出してしまったことです。

テスト段階に入りここ最近、組織というものを意識するようになってきました。
プロダクトもα版2.0まで進んできており、リリースまで1ヶ月を切り開発も終盤を迎え、オペレーションまわりの準備に取り掛かっているからです。


少し話が逸れますが、私はスタートアップというのは、大海原を渡る小舟のようなものと考えています。
船の乗組員は進路を決める船長、船をメンテナンスする大工、航路を読む航海士など、必要最低限の役割があり、まだ船が小さい時はそれぞれの能力が被らず、役割分担を出来ることが船を進める上で身軽かつ効率的です。幸いザオリアは綺麗に役割が分かれているので、それぞれがイニシャティブを取り、意思決定のスピードが早いと感じています。


さて、「事業の始め方」が何故間違いだったかに話しを戻すと、たまたま小舟を漕ぐのに最適な乗組員が揃い、
取り敢えず大海原へ出てしまったが故に、何のためにビジネスをするのか、組織として一枚岩とならず
モチベーションに影響が出るのではないかと感じてきました。
(ここでいう小舟はビジネスモデルやアイディアだと思って下さい)
最近はタスクが増えてきて、2月のような躍動感に溢れた動きが中々出来なくなっており、
停滞感も少し出てきた事も重なって、ミーティングをしていて、
メンバーからの不満が顔に出るようになってきました。
私も起業してからテンションの上げ下げを何度か経験したのですが、
その要因は前進したか、による影響が大きかったです。


オペレーションが始まると役割を越えた動き(スカンクワーク)が必要になってきます。
スタートアップは人的リソースが限られているので、忙殺されることが予想され、
そうなると懸念されるのが「何故頑張っているのか」と自問自答し始め、
モチベーション維持にコストが発生してしまうことです。
さらにもっと重要なのが、組織として一枚岩になれるかどうかです。元々3人は出会ってから日も浅く、
昔から一緒に仕事をやっていたわけではないので、バックグラウンドも違います。
ミーティングでもプロダクトをメインにした議題になっているので、事業の目的を
とことん議論しないままここまで来てしまいました。
そもそもWhyから始めていないので、事業の目的が不明確なため自分たちの存在意義に疑問を持ち始め、個人のパフォーマンスに影響が出て、相乗効果を阻む要因になりえるのかと懸念しています。


Whyから始める事業の場合、「どんな問題を解決」し「解決されることでどう世界が変わるのか」が明確なため、
何故頑張れるのか、を自問自答せずに、どんな時でも前進するエネルギーになるはずです。
2月はスピード感を持って仕事をしていて、相乗効果も生まれ躍動感に満ちた時間を過ごせていたので、
ある意味エネルギッシュで「これがスタートアップか!?」と初めての体験に興奮をしていました。
ただ、短期的にはテンションは上がりますが、長期的な観点で見ると躍動感だけではモチベーションが長続きしないな、
ということにようやく気づきました。むしろ、錯覚に陥っていました。

(長期的な)目標でチームをまとめ、それを原動力にすることが会社として発展する素地にもなるし、
存在意義なのかと。大海原へ出たは良いが、どの島を目指すのかがそれぞれぼんやりとしか見えていないことが、今後のリスクになると今感じています。


■チームビルディング
8月の中旬になって、今更ながら、ビジネスの根幹に気づいたのでミーティングの2/3はミッション定義に時間を費やしています。そのためにはそれぞれバックグラウンドが違うので、ビジネスマンとしての大切にしたいスタンス、
人生における価値観、どんな夢があるのか、相互理解を行うようになりました。
そこから共通の目標や目的を作り上げていき、ザオリアの事業に落としこんでいくプロセスを踏んでいます。

ビジネスが軌道に乗ったらメンバーを増やしていく予定なので、Whyがブレていると会社が混乱してしまいます。そうなる前にとことん議論をして、自分たちのミッションを作り上げていこうと思います。


ご参考までに現在起業準備中の金城さんという方のブログがチームビルディングの
参考になっているので、僭越ながらご紹介させて頂きます。
最近気づいた「何をやるかではなく誰とやるか」という言葉の本質 http://shinkinjo.com/?p=182

サービス名が決定

現在ザオリアで開発しているサービスのコードネームは“Donuts"というものです。
このコードネームは我々3人が初めて出会った渋谷の桜ヶ丘にあるドーナツ屋から取ったものです。
そういえば、先週そのドーナツ屋が閉店したとのお知らせがあり、非常に残念です。
あのお店はスタートアップがよく利用していることもあり、我々もたまに小1時間位の
ミーティングで使っていました。

さて、そのDonutsですが、“Launch App”というサービス名にしました。
ローンチする前にユーザーのニーズ確認やユーザービリティテストをして、
アプリのブラシュアップをサポートするビジネスなので、ネーミングから
サービスを想起できるものにしました。

8月末からはStartup Dating、INNOVATION NIGHT 2012 夏 、
サムライベンチャーサミットなどのピッチにも参加し、
β版ローンチに向けて粛々と準備を進めていきます。

来週にはティザーサイトも用意しますので、リリース前のアプリを体感して、
自分の意見を反映させることにご興味がある方は是非事前登録してみてください。
別途開発者向けのティザーサイトも月末には用意します。

初めましてのブログ

早いのもので起業をしてから、3ヶ月経ちました。

この間アクセラレータプログラムの応募、ベンチャーキャピタリストとの関わり、事業を組み立てていく上でのディスカッション、スタートアップ界隈での交流と、今まで経験のないことをこなしている日々の中で、自分の考えや感じたことを書き留めていこうと思い、ブログを始めることにしました。


2012年5月にザオリア株式会社という会社を3人(ビジネスディベロップメント、ディレクター、エンジニア)で立ち上げまして、現在サービスリリースに向けて下準備をしているところです(αテスト中)。
社名の由来はギリシャ哲学の用語であるTHEORIA(テオリア)を一捻りしました。テオリアとはモノゴトを多視点で見つめ、
根本原理や法則、真理などを探究しようとする行為を指します。仏教用語にも観照という、同じ概念があるようです。

社名に込めた思いから、ビジネスドメインは「集団の叡智」に関わるものにしていきます。

開発中のサービスはクラウドソーシングでAndroidアプリ開発者向けに、Android携帯を所持している一般ユーザーにリリース前のユーザビリティテストを行い、フィードバックを提供するというもので、コンセプトは「リーンスタートアップを手軽に行える」。


解決したい問題点はAndroidアプリ開発者の・・・
1. ユーザーニーズを知りたいのに分からない
2. 試作品を作ったものの誰も試してくれない
3. 仮説を立てたのに検証が出来ない

これらの諸問題をアプリ開発者は抱えていて、クラウドソーシングで解決する試みが
現在進めている“Donuts”というプロジェクトです。

この構想は私がMBA在籍中に描いたもので、某VCに企画書だけ持って行ってプレゼンをしてみたら
思いの外反応も良く、Androidアプリの市場は急成長中でビジネスチャンスも見込め、起業を3月に決意しました。


これからサービスインして、事業を運営していく上でのスタートアップの日々を備忘録として残していきます。
どうぞ、よろしくお願い致します。