痛み止め(must to have)とビタミン剤(better to have)
以前リプレイスモデルとクリエイションモデルの違いを言及したのだが、少し考えが整理できたので備忘録のついでに記してみる。
顕在化している市場が抱えている問題点を、新たなスキームで解決するのがリプレイスモデル。
非効率な市場で、顧客はしょうがないから今あるサービスを利用している状態。
何か代替出来るサービスが無いか、顧客が探していたら大いにチャンスはある。
まだ市場として成り立っていなくて(つまり供給者がほぼ居ない)、頑張って需要をゼロから喚起するのがクリエイションモデル。
市場が本当にあるのか、不安で不安で仕方がないのがこれ。
顧客が問題だと認識していない、そもそも自分のニーズに気づいていないなど。
この2つの違いは痛み止め(must to have)とビタミン剤(better to have)の話しに当てはまる。
苦痛を伴っており無いと困るのが「痛み止め」、あるといいな!でもあってもなくても困らないのが「ビタミン剤」。
痛みってすでに問題を認知しているから、苦痛から解放されたくなるのでニーズではなくて需要となる。
| マネタイズを考える
フリーミアムや広告モデルなど数パターンかあるが、顧客の課題から見てみるとマネタイズのポイントは2つあると思う。
□恒久的に問題が発生する
毎月起こる問題、例えば仕分けや帳簿などの会計は企業がある限り半永久的に問題を抱えている。
そのため、面倒な会計作業はアウトソーシングや自動化出来ると嬉しい(ただし人的リソースの少ない企業が対象)。
なので、月額の課金モデルは非常にフィットするし、且つデータを蓄積するストックモデルは会計サービスと相性が良い。
データ蓄積型の場合スイッチングコストも高まるので、エントリーストラテジーは無料から入り、途中から有料化にするという
やり方がベターだと思う。
□単発的に問題が発生する
トランザクション毎の課金形態となる。
今プレイヤーがしのぎを削っているイベント系サービス(集客手段、決済、出席者管理などの問題が発生する)や決済系サービス等が該当する。
トランザクション型サービスは顧客が顧客を呼ぶモデルだと、トランザクション頻度が高まって良いのではないか。
データ蓄積☓ストック型のビジネスモデルは理想だなーと、最近色んなビジネスモデルを研究していて思う。
それとビジネスモデルを考える際にスキームありきからスタートする場合は、必ずしも顧客の課題を解決するベストなものと限らない。
サブスクリプションが流行っているからといって、(商材にもよるが)顧客が定期購買を求めているわけではない。
ところで、この前アメリカのVCと話しをしたのだが、彼らはリプレイスモデルよりクリエイションモデルに投資する傾向があるようだ。
理由は大化けするのが後者の方が可能性として高いらしい。
FacebookやTwitterに初期投資するのはそういう理由があるみそうだ、なので痛み止めよりビタミン剤に魅力を感じるとのこと。