スタートアップを失敗した元起業家のキャリア選択

私はザオリア株式会社というスタートアップの元経営者で、会社を清算することを意思決定した後、どのような身の振り方をするのか悩んだ。

いきなり余談だが、2月から着手している清算作業が未だに終わっておらず、会社を畳むのは本当にエネルギーがいる。
資本金が大分残っていたので、回収したいがために清算を選択したが、正直オススメしない。
また会社を閉じるのに税金を徴収されるのも辛い(友人の話しを聞いている限り、休眠させた方が楽だと思う)。


さて、話しを戻すと悩みの種は行きたいと思える会社が無かったからだ。
今までのキャリアも将来起業した際に活きると想定して選んできた。
凡人なのでそういう発想をしてしまうが、振り返れば有難いことに無駄な経験は1つも無かった。

そのためこの会社に骨を一生埋めたいと微塵も思ったことがないし、
恐らく自らスタートアップをする以外、今後も考えは変わらないだろう。


| 選択肢の洗い出し

誰かが言っていたのだが、「起業を経験すると選択肢が広がるよ」と。

確かに小規模ながら経営というものをやってみると、やらなければいけない事が日々増えて、
視点や考え方が変わり起業前に比べてビジネススキルは高まり、仕事の幅も広がった。

そこで、スタートアップを清算するにあたって次どうするか、と考えたら以下の選択肢が浮かんだ。

1.シード ~ アーリーステージのスタートアップで雑用
2.ミドル ~ レイターステージのスタートアップでビジネスオーナー/プロダクトマネージャー
3.大企業の新規事業開発
4.USのイケている企業でビジネス系職務


他にも色々とあると思うが、自分の経験と志向を整理してみて選択肢としてはこんなところかと。
また現時点ではもう一度起業したいとも思っていないし、MBA在籍期間を合わせると4年間無収入生活を送っていた自分は
正直キャッシュの限界もあったので転職をすることにした。


1.シード ~ アーリーのスタートアップ
CEOの片腕という名の雑用になって欲しい、というのがあるようだ。
Google時代に消費者行動のデータ分析経験、リクルートで鍛えられた営業馬力、MBAでの経営知識、自身でスタートアップを起こしサービスの企画構想、戦略立案と実行等がご評価を頂いた。また自分でも経営をしていたので、経営者の気持ち、特に孤独との戦いをしている事を理解出来るのは共感を呼ぶところなのだろう。

2.ミドル ~ レイターステージのスタートアップでビジネスオーナー/プロダクトマネージャー
お話しを伺っていて、私に対する評価というのが「リスクを取ってガシガシ進めていける」「起業家志向」「トライアンドエラーの経験を通して学ぶ力」等が挙げられた。また自らスタートアップでプロダクトを立ち上げた製品責任者(P/LとC/F、各種KPIの設定とチェックが出来て、その後の施策実行に移せる)人材はどうも不足しているようだ。

3.大企業の新規事業開発
新規事業開発に力を入れている大企業にとって、イントレプレナー(企業内起業家)というのは人材教育や採用のテーマだそうだ。
既存事業とは別にどんどん新しい事業を立ち上げられる人材は貴重で、起業経験者はイントレプレナーになるケースがあると聞いた。
そのため、元起業家は求められる傾向にあるみたいだ。

4.USのイケている企業
向こうでは失敗したアントレプレナーTwitterFacebookなどの大手、Squareなどに代表される新興企業へジョインしていくケースがあるみたい。


1,2,3,については実際に何人かとお話しをさせて頂き、対面者が上記を伝えてきた。
口頭で伝えられたので自分がそう判断しているが、別の視点でも視ているようにも感じた。

これら以外にも変わったところでいうと、
・ある大企業の新規事業立ち上げのカウンターパートとして参画して欲しい
・インドのスタートアップが日本法人を立ち上げるので “Country Head” をしないか
↑ 明らかに声かける相手間違っているだろうと、ツッコミたくなったw

というお誘いがあった。
また個人的には面白いな、と感じたのが「VCをやってみないか?」というのもあった。
(今選んだところがダメだったら、是非やってみたかったのは当時の本音だ)


■今後どのような経験が市場価値を高めるのか
1つは新たな収益を生み出すイントレプレナー(社内起業家)というのはますます価値が高まるし、このような人材に裁量権を持たせるべきだ。
もう1つは海外向けにビジネスを展開出来る人材だと仮説を立てた。
私は海外向けビジネスの経験が無いため、残念ながら後者の選択肢はない。
外国人相手に自社を優位に立たせるためのハードネゴシエーション、スキーム構築が出来れば会社に莫大な利益をもたらせられるので、
貴重人材であることは言うまでもない。なので、ガシガシ突っ込んでいく商社マンとか凄いなー、といつも感心する。
3つ目は一見関連性のないもの同士を結びつけるマネジメントだ。


■次にやってみたいこと
3〜5年後企業の組織はどのように変化しているのか、形態を取るべきなのか、と考えを巡らせてみた。
今まで大企業、外資の日本法人成長フェーズ、スタートアップを経験してきたので、
どうせならやったことがないことにチャレンジし、ついでに新たな経営手法を生み出してみたいと思えた。

普遍的なスキルとライフサイクルが短いスキルの2つに分けた場合、マネジメントスキルは常に改善され続ける永遠のテーマというのが私の考えだ。
また、これまでのキャリアを活かせつつ、何か記憶に残る仕事やインパクトを出せる事をやりたいと想った。


| 転職活動のこぼれ話

少しだけ転職活動をしてみたのだが、積極的にしなかった理由は以下のとおり。

1.色々探してみた結果行きたいと思える会社が少なかった
2.電車賃が勿体無いことに気づいた

ただ、久しぶりの転職活動だったので面接慣れをしておくのは意外と重要かもしれないとも思えた。

例えば、こんなやり取りでミスをしてしまった
面:「全くの未経験領域で新規サービスを立ち上げるのに業界知識はどれ位でキャッチアップ出来ますか?」
自:「1週間もあればキャッチアップ出来ます」

…と答えてしまった。これは明らかに回答ミスであった。何故ならば、理由をキチンと説明できなかったからだ。

何故一週間かというと、前々職で広告プランニングの仕事をする際に業界構造や消費者行動パターンを調べるのに約2日から5日掛けて、
知識や情報をインプットしていたためだ。
そのアプローチであったり、仕事への取り組み方をすっ飛ばしてしまった問答をしてしまったので、面接慣れをする必要を感じた。
ただし、電車賃が勿体無いので、内定を貰ったら行くと決められる会社に限る。

もう一つメリットがあるとすれば、キャリアの棚卸しと改めて自分自身を振り返る良い機会にもなり、
面接を通して自分自身でも気付かなかった課題を発見できる事が挙げられる。

またその会社の事業仮説や自身が注目している分野やサービスなどの意見もあった方が良い。
意外とこの辺のセンスを見られている印象があった。
内定を許諾した会社に関しては財務諸表の読み込みと決算短信、説明資料、過去のニュース、面接官の経歴などを情報収集した。
経営者視点、現場視点の両方でモノゴトを語れるのはスタートアップ経験者ならではとも思える。

ついでに細かい話だが、事前に面接官の名前を聞いていたので、その人のインタビュー記事やブログ、動画などもチェックして、どんな口調で話すのか、コミュニケーションスタイルの分類までも研究した。この分類に関しては有益なものなので、気が向いたら別途ブログに書いてみようかな。


| 新たなチャレンジの場

実は3月から働き始めているのだが、株式会社ミクシィに身を置いている。
1月下旬に「経営企画室のマネージャーとして、ミクシィの経営戦略を担ってみませんか?」とポジションサーチで声を掛けられた時に、
“ビビッ!!” と来るものがあった。
先に挙げた選択肢から外れていたため、当初リストにすら入っていなかった。


もちろん世間からの注目は色々な意味であることは解っている。

mixiが日本で流行って上場時にこれでもかってくらい時価総額も上がり、その後苦しい局面を迎えているのは周知の通りである。
だからこそ新たな経営戦略を立案/実行し、事業再生長に向けてリカバリーするこのフェーズがチャレンジングで面白いと思えた(今はモンストが好調で業績が急浮上中)。
変革期における経営の意思決定に関与出来るのは、中々出来ない経験である。

エンジニアはIPAに採択された優秀な人がいたり、私が籍を置く経営企画室にはよくそんな人材を集めたな、と我ながら関心するようなチームで刺激的な環境でもある。
この環境下(フェーズと優秀なチーム)なら、スタートアップの次にやるべきチャレンジだと。

それと私が考える3~5年後当たり前になっているであろうと、想像している経営戦略をこれから正に実行しようとしている事もあり、志向が一致したのも大きい。
上場企業で経営改革の一端を担い、大げさかもしれないが成功したら1つのケーススタディになるんじゃないのか、と思っている。

ハッキリ言って経営改革は私にとって未知の領域である。
なので、チャレンジングな仕事にワクワクした自分の直感に従うことにした。


| アントレプレナーの価値とは?

転職活動をするまで失敗の烙印を押された自分が企業に再び入れるのか、と正直心配をしていた。

ニュースでは「〇〇会社が△△万円資金調達した!」「ユーザー〇〇万人突破!」と明るい話題しか取り上げられない。
そのような “日の当たる人達” に比べて、事業を畳むことを意思決定した私はハッキリ言って負け組だからだ。

しかしスタートアップを清算した起業家でも、それを「経験」として評価をしてくれる企業があるのは事実である。
ただし、これについてはWEBサービスを提供している会社としか、話しをしていないから偏りはあると思うけど。
半官半民企業や人材の均質化を図る企業にとって、元起業家なんて異端児で面倒臭い奴だと思われるんじゃないかな?

それと「お前大手企業出身だからだろ!?」と突っ込みがあるかもしれないが、面接を複数やってみて90%以上はザオリア時代の話だった。
リクルートGoogleでの仕事について殆ど聞かれなかったし(経歴の自己紹介くらい)、MBAの話題は何一つ無かった。
なので、今スタートアップをやっている起業家もどんどんチャレンジをして、後悔のないように全力を尽くして欲しい。
私はスタートアップをやっていた1年ちょいの期間が今までのキャリアの中で一番成長した、と断言できるからだ。
自分の身銭を切って、胃の痛くなる日々を経験すると、会社員時代に比べてモノゴトの視え方も大分変わった。


チャレンジは自分の可能性とキャパシティを広げてくれる唯一の糧だし、例え失敗をしたとしても、自己分析/反省と経験を体系化出来ていれば高評価を得られるのではないだろうか(ある会社は元起業家を積極採用していた)。


成功失敗問わずリスクを取ったスタートアッパーが、賞賛される世の中になりつつあるのかもしれない、と今振り返ればそう思える。

起業する前に意識すべき5つのポイント。失敗してみて気づいた、とあるスタートアップの反省

年末にFacebookで報告をしたのだが、2012年5月に立ち上げたザオリア(株)は残念ながら清算することになった。
そこで、失敗経験を備忘録がてら記したいと思う。これから起業する人の参考程度になれば幸いである。
ただ、よくあるスタートアップの失敗話しなのと、スケーリング出来なかったので感動や目新しいことはない事は始めにお伝えしておく。
また会社を清算しようと思ったのは別に理由がある。


スタートアップが失敗する要因というのは以下の3つであると言われている。

1.カネ
2.ヒト
3.モノ(ビジネスモデルやサービス)

コレ以外にはない!と突っ込みたくなるのも一興。
(資本金はまだまだあったのだが)もちろんザオリアはこの3つ全てに当てはまる。
特にヒトとモノは密接に絡みあうということを、今回の起業経験で痛感したことでもある。

LaunchApp という「スマホアプリのユーザーテストをクラウドソーシングで提供する」サービスを運営していたのだが、
テスターとディベロッパーの獲得はまぁまぁだった。アプリテスト依頼を出し、テスターからのフィードバック1つにつき、
都度課金をするビジネスモデルの売上は安定的に入ってこなかったレベル感であった。

サービス着想は慶應ビジネススクール在籍時にCo-Creation(クラウドソーシングの一種)を研究していて、このスキームをビジネス化出来ないか、
という観点で始めたのがきっかけである。
当初はスマホユーザーにデバッグをしてもらうというのが、一番最初に思いついたビジネスだった。


|5つの失敗点/反省点について

結論から言うと全て自分の責任である、その分失敗のリスクも負った。
プロダクトの着想、仲間集め、マネジメント、と自分の力不足が原因であるのは否定しようがない。


1.顧客の課題よりアイディアから入ってしまった
ザオリアが参加していたインキュベーションプログラムでもよく「顧客の課題を見つけろ!」と有難いことに口酸っぱくアドバイスを頂いていた。
またハーバード・ビジネススクールのクレイトン・クリステンセン教授は「顧客の片付けたい用事」に着目すべきだ、と著書「イノベーションへの解」で記していた。
振り返ると、アイディア有りきから入ってしまったのが1番最初の失敗だと思う。

■個人の余剰資産/時間を活用出来ないか
個人が持て余している能力や時間を活用して、ビジネスとして成立出来ないか。
移動時間やスキマ時間を使って、お金を稼ぐ機会を増やすことが出来れば面白い。

■成長市場に目を向ける
スマートフォンの普及に伴い必ずビジネスチャンスが生まれる、とまず考えた。
そこでスマートフォンアプリを提供するアプリディベロッパーが増えていることに(当然ながら)気づき、
成長市場には正の部分もあれば、負の部分もある。その負とはアプリを作ったのにそもそもダウンロードや使ってもらえない問題があるのではないか?
という仮説を立てた。


上記2つの観点でスマホユーザーはアプリディベロッパーにとって顧客候補にもなりえると考えた。

スマホアプリ」☓「クラウドソーシング」☓「ユーザーフィードバック」が潜在市場としてあるのではないか、
またゴールドラッシュ時に一番儲かったのがツルハシを貸すビジネスだと聞いた覚えがあったので、
スマートフォンユーザーにテスターとしてアプリを触ってもらい、使いづらさやそもそも必要あるのか等のフィードバックを届けるビジネスモデルに行き着いた。


ところが、市場を考察する上でフィリップ・コトラーは「購買意欲」を以下の3つに定義している。

1. ニーズ:欠乏を感じている状態
2. 欲求 :ニーズが具現化された状態
3. 需要 :欲求に購買力/購買行動が伴う状態

LaunchApp はプロトタイプの段階からユーザーテストを沢山行ってきて「確かにユーザーフィードバックを貰いながらアプリ開発が出来たら便利」、
というご意見を頂戴していたため、市場はあると踏んでしまった。
新しいビジネスのためか、そもそもユーザーフィードバックを重ねながらアプリ開発をする習慣がないのか、
市場の読み違いが起こる原因の1つは “欲求 = 需要” と勘違いする場合かもしれない、と身を持って分からされた。


2.歪なチーム組成
ザオリアはサーバーサイド、フロントエンジニア、ビジネスディベロップメント(私)の3人で起業をした。
私以外の2人は家庭や家のローン、車持ちであり別の仕事をしながらパートタイマーとして参画し、ビジネスが軌道に載ったらフルタイムとなる予定だった。
その後もう一人Biz Dev系のメンバーが入ってきて、コアメンバーはフルタイム2名+パートタイム2名の体制になった。

進めていくうちにコミュニケーションの量、開発速度とプロダクトクオリティの問題が出てきた。
SkypeFacebook, Google+Hangouts, Backlog, ChatWork等便利なコミュニケーションツールは確かに活用していた。
しかし、ツールを介したコミュニケーションと直で行うコミュニケーションとでは「質」が違う。
プロジェクト型の開発案件をこなすような場合、それぞれがプロフェッショナルとしての役割をこなせば、
いちいち直で会って仕事をこなす必要な無いので、コミュニケーションツールは時間短縮という意味ではかなり有効的であると思う(偏見かな?)。

また週一回約60 - 120分のミーティングのみでしか顔を合わせないとやはり、チーム組成という観点では良くなかった。
普段の何気ないコミュニケーションからアイディアや解決策が出てくるため、効率化を図るがための要件だけを伝える時間の取り方では成長を義務付けられているスタートアップには不向きである、と感じた。

濃い時間を一緒に過ごすこと、どれだけ時間を共有できるかが初期のチーム組成には重要である。


開発速度とプロダクトクオリティの問題に関しては、唯でさえスタートアップはリソースが少ない中でプロダクトを開発しなければいけないのだが、
開発陣が割けるリソースが月で10 - 20時間程度であり、メインの仕事が忙しい時は全く手を付けられない状況で何一つアップデートの無い月もあったほどだ。

そのため、
・仮説立て
・機能実装
・新規開拓営業
・顧客に利用してもらう
・フィードバックを受けに行く
ユーザビリティ改善やプロダクトアップデート


というPDCAサイクルのスピードがどうしても遅くなってしまった。
勿論PIVOTも検討したが、それは後述する。

ここでは言及しないが「ビジネスの始め方」にも注意が必要である。


3.企業フェーズ毎の適材適所な人材
自分への戒めでもあるのだが、起業するまで全く意識をしていなかった。
これはとても重要だ。

出来たてホヤホヤのスタートアップ、急成長し組織化を図っているスタートアップ、スタートアップしたものの生き残ることが目的化した零細/中小企業、大企業、とカテゴリは分かれるが、微妙に求められる働き方が違い、そこで積んだ経験や仕事の癖は時には邪魔となりえる。

例えば、経営戦略に沿って組織戦略に落とし込む大企業は組織が最適化される。そのため、上層部に与えられたミッションをクリア出来る人材が必要とされる。
もちろんリーダーシップを発揮したり、状況に応じてスカンクワークス出来る人材は重宝されるので、これが全てではないが...。

しかし、出来たてホヤホヤのスタートアップにおいては各個人がイシューを定義して、自律的かつ能動的に動けるかが重要であり、動き方が全く別物である。ミーティングで決まったことしか動かないのは一見効率的に見えてるが、(リソースとの兼ね合いもある)このフェーズにおいてはあまり好ましくなかった。

また自身が能力を発揮できた前提/環境が全く変わった時に同じようにパフォーマンスを出せるかは、
私がリクルートからGoogleへ転職した時にも実感した。
同じ営業職でも短距離から中長距離走のように使う筋肉が別物で、転職当初は全くと言っていいほど使い物にならなかった経験も自身でしてきている。
再現性」がどの環境下に置かれても、必ずしも発揮できるわけではないということだ。

自己否定や今までの経験上の判断を越えた思考を出来ないと、新しい価値を創造することは出来ない。


4.ビジネスに対してどれだけ腹を括れるか
これが本当に大きなウェイトを占めていると感じた。

原体験や事業ストーリーが無いとイシューに対して、心の底からモチベーションとなりえない。
ビジネスを進めていくとユーザーからの期待や応援のメッセージも頂くことも有り、サービスを提供することの意義は確かに見出していたが、
アイディアを実現することをスタートとした自分にとって、

「これが本当にやりたいことなのか?」
「自分がやるべき事業なのか?他の人でもいいのではないか?」

常に自問自答し走り続けた1年半だった。


5.自分のビジョンを強く持つべきだった
4.と相反するところでもあるのだが、共同創業という方法を取ったことから、自分のアイディアとは言えビジョンはゼロベースで一緒に作ろう、としてしまった。
これはとても反省をしているのだが、問題意識の摺り合わせや共有、一緒にアイディアを検討した仲でない限り、発案者の自分がビジョンを作り強烈に説くべきだった。私自身のリーダーシップの欠如が原因である。



こんな事を記しているが、別に個人を否定しているわけでもないのであしからず。
フルタイム、パートタイム問わずよく頑張ってくれたと思っているし、とても感謝している。
もう一回仮に起業するならば間違いなく誘うし、チームの解散際にそのように伝えたのは事実である。
くどいようだが、現況を導いたのは全て私の意思決定のミスが重なったためであり、自分の実力不足に起因している。
優秀な起業家は起こりえる全ての問題に対して布石を打てるから、成長し続けられるのだろう。


|もしもう一回起業するなら何に気をつけるか

ところで、最近は色んな方と話しをしていて、毎日誰かしらと会っている。
で、もう一回やるの?と必ず聞かれるので、現時点では「No!!」と答えている。

起業意欲が無いわけでもないのだが、
・どうしてもこの問題を解決したい
・この人と共同創業出来るなら絶対に後悔をしない
・ビジョン達成のためにしばらくは無給でも頑張れる覚悟がある

...という状況にでもならない限り起業という選択肢はない。何よりリスクを取って失敗をしたら全てを負うのは本当にキツイ...20代だったら別だけど。
因みに共同創業を条件に挙げたのは私自身がBiz Dev系で(途中からHTMLとCSSの基本,PhotoshopFireworksを覚え、簡易ではあるがフロントもやるようになったが)プログラミングが出来ないのと、1人でやるより2人3人で共同創業したほうが成功確率が高い、というデータがあるからだ。



そこで失敗要因を整理してみて、自分の問いに対する答えをヒト・モノ・カネで考えてみた。
下記は相反することもあるが、正しいやり方というのは後日振り返ってみないと分からないものなので、組み合わせてみればいいと思っている。


■ヒトについて

PIVOTを前提とするなばら、変化を受け入れられる人
ピボットが当たり前のスタートアップで先行きが怪しくなってきたら方向転換はするべき。
達成したいゴールが一緒というのは一見素晴らしく思えてしまうが、PIVOTをするときに邪魔になるケースが有る。
実はザオリアでPIVOTをしなかった理由の1つにLaunchApp/このサービスを作るために共同創業をした、という経緯がある。
私と一緒に仕事をしたいからやる、というわけではなくアイディアに需要がありそうだから、という理由からだった。

戦略やマイルストーンを立てて、法人営業やマーケティング活動を進めるうちにこれはダメだ、と見込み違いを起こしてそのまま「決まったことをコロコロ変えるな」と言われようが、スタートアップにおいては柔軟性が必要となる。その変化を受け入れられない人とはやらない方がいい。


既存の問題にアプローチする場合
上記の点と逆になるのだが、業界に対してコミット出来る場合は思いや問題意識が一緒の人と始めるのがベストだと感じた。
例えば、大手企業が蔓延っていたり、非効率な市場、既得権益者で寡占化されていて、リプレイス出来る可能性がある場合だ。
非効率な業界に身を置き、そこで芽生えた問題意識が共通の人がいたら、有能なパートナーとなりえる。


CTOという女房役が必要
チーム組成のコミュニケーション問題、競合が出てくる中で開発スピードやサービスの質はやはり勝負の分かれ目でもある。
年下なのだが、私が尊敬しているスタートアップでCTOをやっている友人は「初期のスタートアップにおいてCEOの女房役はCTOしかいない」と言っていた。技術的な視点で経営マターを考えられる人材こそ、スタートアップのCTOとして相応しいということだ。
ここで難しいのが、プログラミングもでき経営者視点を持っているエンジニアは自ら起業をする場合が多いので、お互いを補完でき合える関係になり得る人とは中々出会えない問題がある。
仮にもう一度やるならば、今回の反省から自分でプロトタイプを作ってみようとも思えるのだが、彼曰く素人が作ったものなんて、クソの役にも立たない、直ぐに作り変えると言っていた...。正直にそう言ってくれる人こそ、やはり女房になり得る人だと感じた。


創業メンバーが揃った後の人材採用
スタートアップにおいて人材採用は死活問題だ。
とある著名な起業家が「またこの人と机を一緒に並べて仕事をしたい」と思える人を仲間に入れるべきだ、と仰っていた。確かにリファーラルが最高の採用方法だというのは疑いの余地はない。実際10人目くらいまでは全部創業メンバーの知り合い、で固めているスタートアップも多いと聞く。

ただ、私自身が経験した失敗について布石を打つならばどうするか、というと「3ヶ月から6ヶ月位仕事を依頼してみる」という方法を取る。
例えば、ジョインして欲しい優秀な方がいるとする。普段朝から働いているので、仕事終わりにミーティングに参加してもらったり、土日で遂行できるタスクを振ってみたりして雰囲気やブランドを持っていない中でもアウトプットを出せるかを判断する。
もしフィットするなら誘ってみるし、誘われた方も数ヶ月一緒に簡易ながらでも仕事をしてみて合わないな、ということになればお互いアンハッピーな状況にはならないと考えられるからだ。


■モノについて

ビジネスの始め方がアイディアからの場合
よくスタートアップ界隈で解決すべき問題(イシュー)は何か?を突き詰めろと言われている。
一方で「こんなユーザー体験を提供したい」「まだ見ぬ世界観が自分には視えている」という着想からビジネスを始める場合も多々ある。

心から達成したいと思っている成果の確固たるイメージがあったら、PIVOTを前提にスタートしてもいいと思える。
自分の場合はアイディアからスタートしたのにも関わらず、最初から成果のイメージが固まっていなかったし、事業を営んでいるうちにクリアに視えてくるだろうと、どこかで考えていたフシがあり、ビジョンはやんわりとでしかなかったのは正直に告白する。

私の認識ではPIVOTというのは、例えば富士山に登ろうとしたが吉田口登山道が途中で無くなっており、しょうがなく須走口登山道へ切り替える、
アプローチを変えるものだ。顧客候補自体が課題を課題として認識していない潜在市場に、新スキームで乗り込む場合はPMFの難易度は高いので、当然の手段だと認識している。


顧客候補の課題発見が第一優先
当たり前なのだがこれに尽きると思う。ビジネスモデルを検討する時にスタートアップの場合「既存市場」☓「新スキーム」 = リプレイスモデル、「新市場」☓「新スキーム」= クリエイションモデルの2パターンで考えないといけないが、ビジネスモデルは後回しでもいい。アプリディベロッパーにとって顧客候補スマホユーザーがテスターとなることから、クラウドソーシングのスキームで提供していたが、クラウドソーシングは根本的な解決策にならなかった。


プロトタイプを複数用意する
もしやりたい事が複数あった場合、最初は1つに絞るのではなく、複数プロトタイプを用意してもいいかと思えた。
ユーザーテストを重ねる中で「これだ!これにコミットしよう」となるまで、検討してもいいかもしれない。


■カネについて

起業前の段階からVCとコンタクトを取る
清算宣言をしてから色々な方からお声がけを頂き、年始にとあるVCの方とディスカッションをしてきた。
今回の失敗についてやVCの方自身の考えや経験、回りの事例など伺え、とても有意義な時間となった。

そんな折「もし2度目の起業をするならば、仮説の段階から一緒に事業を検討しましょう」とお言葉を頂いた。
一瞬「??」となったが、実はこのVCは事業検討フェーズから起業家と一緒に汗をかくことをしているようで、その場合プロダクトをリリースする前に投資の意思決定をされるようだ。この事ついてはインキューベーターの領分だと思っていたので、意外だった。
そういえば、私の友人が経営しているスタートアップも言われてみれば、サービスリリース前にこのVCから投資を受けていたのを思い出した。

確かに検討フェーズから一緒に動いていたら事業の確信性も高まるだろうし、何より一緒に仕事がやりやすいと思えた。


マネタイズの手段を1つ用意する
自分がやっているプロダクトのマネタイズが少し時間が掛かるようならば、副次的な仕事でキャッシュを稼ぐことはいいかもしれない。
例えば、To Bの顧客開拓力が強みであるならば、クライアント向けにマーケティングソリューションを提供するのはいい。
最近ではFacebookマーケティングはどの企業でも取り入れているので、事業シナジーというと大げさかもしれないが、仮にある場合は運用代行をすることがナレッジやノウハウを貯めこむことに繋がるなら、プロダクト浸透するまで小銭稼ぎをしてもいいかもしれない。
ただし、エンジニアのリソースを大幅に割いてしまう受託は絶対にやってはいけない。サービスを成長させることが第一優先のスタートアップなのに目の前の仕事に忙殺され、気づいたらいつの間にか生き残ることが目的化してしまう恐れがあるからだ。



|次どうするか

清算作業はまだ債権が回収できていないので、本格的には動き出せていない。
また今後どうするかも決まっておらず、じっくりと次のキャリアを考えてみようと思う。
理想は今までの経験を最大限活かせる場に居ることだと考えている。


今回のチャレンジは失敗してしまったが、やってみて気づくことも多々あった。
今まで自分が身を置かせてもらえた環境がいかに恵まれていたことか、と気付かされたし、
何より優秀な人材が集まる企業に身を置くことより、優秀な人材を自身が立ち上げた企業に引き寄せることの方が圧倒的に難しいと改めて分からされた1年半だった。

仲間集めをするにしても、やはり自分磨きは一番大切なことなので、井上伸也という人間と一緒にビジネスをやりたい!と思って頂けるようにこれからも日々精進をしていく所存である。


最後ではあるが、ご支援を頂いた関係者と友人、家族にこの場をお借りしてお礼を申し上げたい。

スタートアップが初めてのピッチイベントに出るにあたって

スタートアップの潮流が2012年から、さらに活気づいてきている。
メディア、ベンチャーキャピタルなどのサポート(環境作り)により、
若くて優秀な人材がリスクを取ってチャレンジすることを賞賛する空気が醸成されたことが要因だ。

さらにプロダクトを広めるにあたって情報伝達コストが飛躍的に下がったことで、
ますますスタートアップにとって追い風になっている(言うまでもないが...)。


そこで、プロダクトを広める手段の1つとして、ピッチイベントに出ることも個人的には良いと思う。

  • オーディエンスが顧客候補になり得ること
  • VCや同時期に起業したアントレプレナーとのネットワーキング
  • オーディエンスからのフィードバックによるプロダクトの課題発見

メリットとしては上記が挙げられる。
無料でプロダクトの宣伝もできるピッチイベントに、ザオリアはサービスリリース後に積極参加してきた。


| ザオリアが過去登壇したピッチイベント

  • Google for Entrepreneurs Tokyo 2012
  • gooya CREATOR’S HUB スタートアップイベント
  • Innovation Weekend Autumn 2012(サンブリッジグローバルベンチャーズとVenture Nowによる共催イベント)
  • Innovation Weekend Grand finale 2012(同上)
  • ニフティ社が主催する「CROSS VS」 ~ アプリ/サービス開発オーディション
  • エンジニアスタートアップミーティング#7
  • HUB Tokyo Spark Plug ~Tech~
  • LaunchCamp by エンジニアスタートアップミーティング
  • IT Startup Demo Night Tokyo 2013(インテルマイクロソフト社による共催)

これら以外にも数十名単位の小規模なイベントでもピッチをさせて頂き、
1年間で大小問わず、ほぼ毎月イベントに登壇していた。


前置きが長くなってしまったが、先日友人からピッチを教えて欲しいと連絡が来たので、
これからイベント登壇をする起業家にとって何か示唆や一助になればと思い、経験を共有したい。



| 事前準備

まず前提として考えなければいけないことが2つある。

1.イベントのタイプ
2.想定オーディエンス

たった2つを意識するだけで、ピッチのクオリティが大分変わる。

何故この2つかというと「ピッチ」と「プレゼン」は別物であるからだ。
ピッチとは初めてプロダクトなりサービスを聞く人向けのスタイルで、プレゼンとは説得をするためのものだ。
このサービスを使ってみたいなど、一瞬で魅力やスケール等の可能性を理解してもらうことがピッチの目的。
(人によって定義は違うと思うが、私の経験上そう判断している)


1.イベントのタイプについて


登壇するピッチイベントがどのようなものかを把握する必要がある。
スタートアップのピッチがメインなのか、交流会のいち場面としての位置付けなのか。
またプロダクトメインのピッチ、プロダクトのストーリーを重視するものなのか等がある。
アクセラレータが主催するDemo dayは普通のピッチイベントとは違うので、ここでは省略する)

実を言うと、私は恥ずかしいながらイベントに出始めた当初は何も考えずにピッチ資料を作っており、
ある時イベントの種類というものを意識するようになってから、資料を何パターンか用意するようになった。
それからは主催者にイベントの主旨や全体の流れ、持ち時間、参加者等を資料作りの前に確認するようにしている。


2.オーディエンスを想定する

イベントによって参加者は全然違ってくる。
新しいプロダクトの発表の場、エンジニアとのミートアップ、VCと出会える場、顧客発掘のイベント等
それぞれ性格が違い、ピッチをする目的も微妙に変わることになる。

言うまでもないがオーディエンスの種類によって興味は全然違ってくる。
例えば、VCだったら市場規模(リプレイスなのか新市場として魅力的なのか)や事業の成長性、チームメンバーの経歴が興味の対象であろう。
オーディエンスを顧客と想定した場合「顧客が抱えている問題」「ソリューション」をメインに共感を促すピッチ構成にしたほうが良い。



| ピッチの基本構成

過去のエントリーで重複してまう点もあるが、私がピッチ資料を作るときの基本構成がある。

A.共感
何らかの課題を解決するものなのか、あるいは何らかの新しい体験を提供するものなのか。
最初の入りでオーディエンスの視聴態度は決まる。

B.ソリューション
共感してもらった課題や楽しさを、どんなサービスで解決するのか、あるいは実現するのかを説明する。

C.ユーザー獲得
最初のマーケティングはどういうことをやってユーザーを獲得していくのか、
なぜユーザーは使ってくれるようになるのか、ということを伝える。事業のKSFが分かりやすいと、「なるほど!」となるかと。

D.ビジネスモデルとマーケット
どうやってビジネスするのか?も簡潔に説明する必要がある。
1つ注意することがビジネスモデルとサービスモデルは別物なので、意識すべきだ。

E.チーム
素晴らしいアイデアでもそれを実現するのが、どういうメンバーがやっているのか。
バックグラウンドや強みなどを端的に表現すると良いかと思う。

+αプロダクトのアップデート予定や仮に資金調達したら用途、テスト版の実績などもあるといいかもしれない。


大抵はこの5つをベースに作っており、イベントのタイプやオーディエンスによって資料を何パターンか用意しており、
さらに2分、3分、5分、8分、10分バージョンとバリエーションがあった方がいい。
因みに人が1分間に聞き入れられる文字数として300文字から450文字位というのがあるらしい。



| ピッチ資料の鬼鉄則

ピッチイベントの会場にもよるが、何点か意識したほうがいいことを挙げる。

  • フォントは最低でも36 - 40ptにすべき
  • ピッチのスライドは説明用資料ではない
  • 1枚のスライドには「ワンメッセージ」とする
  • 文字だらけのスライドが出た瞬間にオーディエンスはネットサーファーになるお
  • 最初の2〜3枚で聴くに値するか、判断される

(余談だがラップは最初の10秒で「ノレる」か判断される。ピッチでも同様に最初の「入り」が第一関門)

  • Q&Aやappendixも用意しておく

大抵のオーディエンスは懐疑的である、と仮定した場合減点主義で臨まれるものだ。
いいね!それいいね!的な人は、熱狂的なスタートアップ応援者しかない。
そのため、聴くに値するかどうかを突破した後に、オーディエンスは粗探しに徹し、攻撃的な質問をしてくるため想定問答集を用意した方が絶対いい。
私自身過去Q&Aセッションで痛い目にあったことがあるので、オススメする。



| ピッチは練習あるのみ

余程の完成度又は百戦錬磨じゃない限り練習はすべきだ。
他の起業家もやっていると思うが、私の場合初めて聴く人にとったら「すんなりと理解してもらえるのか」を気をつけている。

さらに録音しながら練習するのも有効的だ。
どこで躓いているのか、抑揚感はきちんと出来ているのか、は客観的に聞かないと分からない。
当日ピッチイベントに向かう電車の中でも聞きながら資料の微調整をしたりする場合もある。



| ピッチイベント当日に心がけていること

資料の作り込み、反復練習で自信を付けたらいざ出陣!となるが、最後の最後で私が行っていることがある。

それは「オーディエンスにストレスを与えない、もしくは軽減することを意識する」だ。
そのために重要になってくるのが会場の事前チェック、スタートしてから会場のテンションチェックである。

登壇者はイベント開始の1時間前くらいに予行演習が大抵ある。
(事前に資料提出以外は)PCとコネクタのチェックをするが、実はここに落とし穴がある。

Macを使っている人なら分かると思うが、たまにコネクタと相性の悪いプロジェクターがあって、
事前チェックをしなかった場合、自分の番になった瞬間にプロジェクターに映らない!?ということが稀にある。
そうすると、オーディエンスは複数のピッチを聞かなければならないのに、トラブルがあると疲れが出てしまい
聴く気が失せてしまう。

次に登壇者が多い場合、私が気にしていることは「タイムーバー」だ。
3分なり5分なりの与えられた時間枠があるのだが、時折豪快にオーバーする強者がいる。
そうすると、上述した通りオーディエンスは辟易してしまい、淀んだ空気が会場を覆う。
(司会進行役泣かせwww)

自分の順番が後ろの方だとはた迷惑なのだが、その場合ちょっとした工夫がある。
例えば、5分の持ち時間なら「お疲れのところ恐れいります。5分以内に終わらせますので…」と一言入れてから始める。
さらにタイムーキーバーが時間をカウントしているが、イベント全体で遅れが出ている場合10秒前後を残して終わらせるようにしている。
ベルを鳴らして終わらせるのと、鳴らせずに終わらせるのとでは印象が大分変わってくるためだ。


自分の順番が回ってくるまで、イベント全体の流れをチェックする意味で私は必ず最後方の席で会場の雰囲気をチェックしている。
そうすることで「場の空気感」を読めるからだ。
また最後方に座ってピッチを見ることで実は気付きもある。
最前列に座っている熱狂的なモノ好きはスライドの一言一句を隈なく読んでくれるが、後方列はほとんどスライドの文字が読めない。
そのため文字の大きさを意識したほうがいいと言える。


| ピッチイベント7つの教訓

取り留めもなく書いてしまったが、私の教訓を最後に記したい。

1.イベントのタイプを知る
2.オーディエンスは誰かを意識する
3.最初の1分または2〜3枚のスライドが勝負の分かれ目
4.ピッチの基本構成を作る
5.ピッチ資料のバージョンは複数用意する
6.会場の雰囲気を察知して、臨機応変に対応
7.最初は上手くいかないのは当たり前なので、取り敢えず勇気を持って人前でピッチしろ。変わるから!


という感じでダラダラと書いたが、これはあくまで私の経験談からによるものなので、異論反論はあると思う。
少しでもこれからピッチに臨む起業家のお役に立てれば幸いです。